組織内の人間関係の問題解決を図る一つのアプローチとして、「称賛を通じたコミュニケーション」が注目されています。
今回、同志社大学の太田肇教授に「組織の上下関係と称賛の関係性」についてお伺いしたことをまとめてみました。

称賛の傾向

最近若い人の意識として、上司より、同僚や仲間から認められたいという意識が広がっていると感じています。
360度評価などを活用し、縦ばかりではなく横や斜めのつながりを重視する組織が増えたからです。

しかしながら、今でも上司に褒められたり、認められたりすることを重視する方が多いそうです。
なぜなら、組織において、上司は部下よりも能力が優れており、“見る目”があるということが一応建前になっているため、部下はその「見る目」のある上司には評価してもらいたい、称賛してもらいたい、という思いを強く抱くからです。

また、上司に認められれば、自身の自己効力感(自信)に繋がるため、上司への称賛(承認)をさらに求めるからです。

能力ある者からの称賛には“重み”があり、私自身、その人の言葉によって自信がついた経験もあります。
さらに、人事権や指揮命令権(人事評価)も伴うとなると、上司に褒められることで、自分の評価も上がるのではないかと期待するのは自然です。

学校の特性

一方、企業では前述のような外発的動機がある程度効くこともありますが、学校では難しい場合もあります。

なぜなら学校では、管理職の役割が必ず“上司”という関係にならないことがあり、管理職からの称賛(承認)効果が薄くなることがあるからです。

例えば、授業に関して「国語を専門とする管理職から数学科教師への称賛」よりも、「同じ教科である先輩教師からの称賛」の方がモチベーション(嬉しさ)に繋がる場合があります。

以上のことから、学校という組織においては、管理職との縦関係のみならず、先生同士が称賛しあい、お互いを認めあう文化を発展させることが大切です。