組織内の人間関係の問題解決を図る一つのアプローチとして、「称賛を通じたコミュニケーション」が注目されています。
今回、同志社大学の太田肇教授に「承認とモチベーションの因果関係」についてお伺いしたことをまとめてみました。

称賛・承認とは

「承認」には、褒める、認める、称賛する、感謝する、ねぎらうという事が含まれており、広義的で抽象的な概念を指します。

その中でも特に「ほめたり(称賛したり)」「認めたり」という狭義の意味での承認が、組織で働く個々のモチベーションの源泉になっていると考えられています。

太田先生の「承認」に関する研究の動機

太田先生は、このモチベショーンの源泉となる承認について着目され、30年以上前から研究に取り組まれています。

「研究の動機としては、役所や公的な研究機関などで働く人を観察したり、話を聞いたりすると、感覚的に人間の行動の7割ぐらいは「承認欲求」に基づいているのではないかと考えました。
しかし、当時の組織論や経営学では、それを裏付ける根拠は見当たりませんでした。

一方、学会等では、仕事の意味や内発的モチベーション、仕事の楽しさや面白さ、自己実現について強調され始めていましたが、私が得ていた実感との間にかなりギャップがあるのではないかと思い、私は承認欲求に焦点を当てた研究を行いました。」

承認とモチベーションの関係性

そうした太田先生の経験に基づいて、実験を行いながら検証したところ、承認とモチベーションは無関係ではなく、密接に関係している結果が得られたといいます。

「承認すると、どのような効果が現れるかということを企業、役所、病院、学校では生徒や児童を対象にして、実際に“ほめたり(称賛したり)”“認めたり”することで、それがどんな効果をもたらすかということを研究してきました。
その結果、承認することは内発的モチベーションに作用し、内発的モチベーションが高まると、“仕事が楽しい”“仕事が面白い”ということにつながることが研究によりわかりました。」

 

このように、学校においても、教職員のモチベーションに称賛や承認は大きな影響力があることが分かりました。

直接的な比較はできないかもしれませんが、この力は金銭的報酬に勝るとも劣らないと感じました。
そして、変化が激しく、価値観がますます多様化するこれからの時代にとって、承認や称賛がいっそう重要になるとも思いました。